中之条ビエンナーレ2021 において展示する会場・湯本家という江戸時代からの民家に伝わる標本を基に制作した。

私は制作において陶を用いている。陶は、土が自然の循環を断たれた人工物として捉えている。それは、人が何かを残そうとする意思、そして人と自然との関わり方の想像力を促す。湯本家には、江戸時代からの伝えられてきた野草の押し花標本がある。標本の植物は、半永久的な時間を持つ。押し花標本も、自然の循環を断たれた、人工的なミイラのように感じた。今回、この押し花標本や身近にある野草などの形態から、インスピレーションを受けた作品を制作する。それは、生の刻印であり、自然と人工とのあわいの結晶として展示される。
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《いのちの紋》(2021)
素材:陶、写真ネガ、木材
サイズ:1700×3300×150mm

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